【書評】『たった一人の熱狂』見城徹
◎見城徹って?
幻冬舎の社長、見城(ミシロだと思ってたらケンジョウでした…)徹さんは、以前ここで書いた編集者の箕輪厚介さんの上司です。
ただこの本は箕輪さんが幻冬舎ではなく双葉社にいた頃に出版されたもので、これをきっかけに箕輪さんは見城さんに見込まれ、幻冬舎へ移ることになります。
破天荒な箕輪さんの上司なんだからさぞ凄い人なんだろうと思ったら、さぞ凄い人でした。
御本人も以前はバリバリの編集者で、森村誠一「人間の証明」や郷ひろみ「ダディ」、渡辺和子「置かれた場所で咲きなさい」など21冊ものミリオンセラーを出版したそうです。
そして、本書に出てくる人脈(本人はこの言葉が嫌いだそうですが)の名前がこれまた凄い。
石原慎太郎、秋元康、村上龍、五木寛之、堀江貴文、藤田晋など、そうそうたるメンバーです。
安倍首相と会食したというエピソードもありました。
◎本の内容
とっても熱ーい見城さんの、編集者にはなるべくしてなったという過去、そして現在まで変わることのない仕事に対する思いが熱ーく書いてあります。
タイトルにもありますが、「熱狂」しながら仕事に打ち込む見城さんの今と昔がわかります。
内訳としては最初の6割が仕事、残りの4割くらいが人生や恋愛、趣味について書いてあります。
仕事のことが面白かったかな。
恋愛や趣味に関してはさーっと読みました笑
◎感想
見城さんは現在68歳です。
最近は割と若い(20〜40代)経営者の本を読むことが多かったので、ある意味新鮮でした。
年齢もそうですし、本人曰くアナログ人間なのでネットもパソコンもスマホもよくわからないそうですが、確かに考え方に昭和の匂いを感じます(いや悪口じゃなく)。
ちょっと説教くさいなと思うところもありましたが(いや、悪口じゃなく)、自身の経験からくる言葉は非常に説得力があります。
個人的にはこの本のキーワードは「熱意」です。
本を出すために五木寛之さんに25通もの手紙を書いたり、石原慎太郎さんにはバラの花束を持っていき、さらに著書を全文暗誦する(途中で止められたらしいが)など本人が気圧されるほどの意気込みで望んでいます。
そもそもこの本はホリエモンと藤田晋さんが共同で開発したトークアプリ「755」でのコメントをまとめたものなのですが、それも2人の熱意に負けて始めたそうですし、それを本にしたいと言ってきたのはこれまた熱意満々の箕輪さんです。
どのエピソードも、はじめ自分は乗り気ではなかったけど、相手の熱意にやられたというところが共通しています。
たとえ世代が違っても、成功者に共通するのはこの「熱意」なのかなと思うと妙に納得がいきました。
若い経営者だって、それを前面に出さないだけで物凄い熱意を持っているはずですもんね。
今はモノに差がなくなってきて、どうしても1円単位の値引き合戦になりがちですが、そんなものを超えて「君の熱意には負けたよ」と言われるような営業マンになりたいものです。
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