【書評】『お金2.0』佐藤航陽
この本はだいぶ前に読み始めたのですが、一度挫折してしばらくしてから再度読み始め、ようやく読破することが出来ました。
著者がどこかで「高校生にもわかるように書いた」と言っていましたが、最近の高校生は優秀なんですね…。
それでも最初に読んだ時は「もう無理だ〜」と思っていたのに、再チャレンジ時は意外なほど頭に入ってきて、スムーズに読み進めることが出来ました。
それは何故かというと、最初はこの本を「仮想通貨の説明書」として読んでいたからで、そんなものに興味の無い自分には読む理由も無かったからです(そんな本買うなよ)。
しかし再チャレンジして読んでいくうちにこの本は単なる仮想通貨の本ではなく、これからの経済、さらにはこれからの世の中について書いてある本なんだということに気づいたのです。
「俺には関係ねぇな」から、「俺が生きてるうちにこの未来が来るのか…」に変わっていきました。
タイトルのお金2.0とは、「次世代の経済」ということなのです。
本文中では、仮想通貨とは?そもそもお金とは?というところから始まり、現在の資本主義のデメリット、さらにAIやベーシックインカムの導入による社会の発展について書かれています。
仮想通貨について詳しく知りたい方はこちら↓↓↓
こういう聞き慣れない最先端の単語を聞くと、何かどんどん人間味を失っていくんじゃないかという気になってしまいますが、本書に書いてあることはそれと真逆でした。
“既存の資本主義に多くの人が感じていたことは、「お金にはならないけど価値のあるものって存在するよね?」という点だと思います。”(本文より)
この「価値」っていうのがこの本1番のキーワードだと個人的には思っていて、これからの時代に必要なものだと思います。
資本主義が行き過ぎたせいで生まれた「金を稼ぐ能力のある人間しか評価されない社会」から、「仕事は平凡だけど人望がある・場を盛り上げるのが上手い・人脈が広いといった人間も評価される社会」へと変わりつつあるということです(もちろんそれで仕事も出来ればなお良いです)。
その要因は、ネットの普及により個人が簡単に自分を発信出来るようになったからで、そこで共感してくれる人(フォロワー・ファン)がいれば、それがもう価値になります。
余談ですが、先日いとこの息子がユーチューバーを目指しているという話を聞きました。是非とも頑張って欲しいです( ̄∀ ̄)笑
さらによく「人工知能に人間の仕事が奪われる」という話を耳にしますが、それも価値の無い人の話であって、価値のある人から仕事は無くならないと思います。
ここでいう価値の無い人とは能力の低い人ではなくて「自分で考えない人」です。
裏では騒いでるのに客の前では無愛想なコンビニのバイトとか、笑顔の一つもないマニュアル通りのファミレスの店員がいなくなるだけです。
「お客さんを明るい気分にさせる」という価値がある人は、どこかからお声がかかると思います。
そこは人工知能には勝ちたいですよね。
人間だもの。
さらに本書の後半によると、AIとベーシックインカムの導入によりいずれ人間は働かなくても暮らしていける社会が訪れるそうですが…。
なかなか信じがたいですよね、現代人には。
とにかく、これからは「個人の価値」が最優先される時代になるので、安定が欲しいなら大企業に勤めるよりも自分の価値を上げることが何よりも近道だ、ということがこの本に限らず色んな本に書いてあります。
そんなわけで、長々と書きましたが僕の言いたいことは1つです。
僕がニートになったら、誰か雇ってね。
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2018.01.25 12:44
2018.01.25 11:51