【書評】『ふたご』藤崎彩織
直木賞にノミネート(受賞は逃す)されて話題になりましたね。
著者はバンド「SEKAI NO OWARI」のSaoriさんです(右から2番目)。
この本を買った理由は、最近タレントとかアーティストとか俳優とか芸人が小説を書きますが、その時についつい
「こんなもん話題性を狙っただけの出来レースだろうがクソッタレ」
と思ってしまう自分がいます。
しかし、読んでもいないのに批判するのはダサい!と思い立ち、どんなものなのか見定めてやろうという気持ちのみで買いました。
特にSaoriさんのファンでもなければセカオワのファンでもないし、どんな内容なのかも全然知らない状態で読み始めました。
つまんなかったらボロカスに書いてやろうと。
結果…
結構面白かった。
あらすじは簡単に言うと「少女の恋とバンドを通した成長」って感じなのですが、普段恋愛モノなんて読まないし興味も無いので、知らずに買って良かったです笑
若い作家でありがちなのが「こんなに捻った表現使ってやりましたよ僕(私)!」みたいな、やたら会話が芸人風だったり理屈っぽかったり、日本の高校生が急にアメリカンジョークの応酬を始めたりすると僕は一気に引いてしまうのですが、この本に関してはそれが無かったのが非常に好感が持てました。
それでいてクスッと出来るような描写は多いのですが、それがさりげない感じで良かったです。
加えて序盤〜中盤にかけては結構ダークな雰囲気の中で進行していくので、それも自分好みでした。
個人的には最後までずっとダークで行ってほしかったのですが、最後は割と普通(?)のハッピーエンドって感じで、そこはちょっと物足りなかったかなと思います。
でも最後とか最終回って難しいんでしょうねきっと。
この小説が本当に直木賞ノミネートの水準に達しているのか、そもそも直木賞ノミネートの水準ってどこなのか、何もかも全くわかりませんが、
少なくとも「100%話題性だけのゴミみたいな小説ではない」ことは確かです。
噂では深瀬(セカオワのボーカル、上の写真でステッキ持ってる人)との実話なんじゃないかって声もありましたが(昔付き合ってたって言われてたような)、まあ半分くらいは体験談なんじゃないかなって気はします。
わざわざ「バンド」をテーマに選んでるくらいですしね。
ところでふと思ったんですが、「読んでもいない小説を批判するのはダサい」と言いましたけど、「小説書いたこともないのに批判する」のはOKなんでしょうか??
2コメント
2018.01.24 05:05
2018.01.24 04:56