【書評】『モチベーション革命』尾原和啓
いわゆる「現代の若者」が、前の世代(高度成長期)とどう違うのか。
そしてどうすれば彼らのモチベーションを上げることが出来るのか、という本です。
そう、あなたには生まれたときから「ないもの」がない。だから何かが欲しいと「乾けない」。だからあなたの世代のことを「乾けない世代」と呼ぶことができます。(「はじめに」より)
まず、今どきの若者を「乾けない世代」と表現したのは上手いなぁと思いました。
バブルの時代は、日本が、そして会社が同じ目標に向かって突き進んでいました。
それは「ないものを埋める」ということです。
何も無いからこそ、どんどん物を作り、どんどん売る、買う側もどんどん買う。
それが当時は美徳だったし、日本人の幸せでもありました。
しかし時代は変わり、今はモノが溢れています。
「ないものがない」のです。
そんな環境で育ってきた若者は、団塊の世代と同じようなモチベーションで頑張ることが出来ません。
「確かに、何か大きなことを『達成』して飲む極上のワインは美味しいかもしれない。でも、『達成』する前に飲んでもよくない…?てか、友達とサイゼリヤのワインで気楽に乾杯するほうが楽しいんだけど。」というのが本音です。(第1章より)
著者の尾原さんは現在47歳です。
帯の推薦コメントで落合陽一さんが「この人、俺より17歳も年上なのに、なんでこんなこと書けるんだろう。」と言っているように、上の文章はまさに今の若者の本音を絶妙に言い表しているなと思いました。
周りにいそうですもん、これ言いそうなやつ。
◎「達成」から「意味合い」へ
じゃあ今の若者は全然使えなくてカスなのかというと一概にそうは言えなくて、厳密には「モチベーションの優先順位」が変わったということです。
団塊の世代が何かを「達成」することを最優先していたのに対して、今の若者は「意味合い」や「人間関係」を大切にします。
著者によると幸せには
- 達成
- 快楽
- 良好な人間関係
- 意味合い
- 没頭
の5種類があり、昔は1と2が重視されていましたが、今は3〜5が重視されているそうです。
そりゃあ、話合わないわ…笑
◎大事なことは、好きなこと
今後は様々な仕事がAI(人工知能)に代替されていく予定ですが、じゃあ人間は何をすればいいのかというと「好きなこと」だそうです。
「好きなことを仕事にしよう」なんていうのははるか昔から理想として言われていましたが、いよいよこれが「必要」とされる時代が来るようです。
面倒くさい仕事はAIに任せて、人間はもっと楽しいことや創造的なことが出来たら最高ですね。
アメリカではAmazonの無人のコンビニや、家にいながら診察をしてもらえるアプリまであるというから驚きです。
◎こりゃ〜名言
人は自分にはできないこと、なし得ないことに対して、いくらでもお金を払うのだ、ということです。(第2章より)
これは個人的にこの本で1番の名言だと思います。
これこそ仕事の本質や!って目から鱗が落ちるようでした。
逆に言えば、「自分でも出来るようなことにお金は払わない」ということになります。
文字にすれば、当たり前なんですけどね。
自分の仕事に照らし合わせて「お客さんには出来ないことをやる」と考えると、プラスアルファの働き方が出来るんじゃないかなーと思います。
◎最後に
「AIの時代をどう生きるか」という本はもう何冊か書評を書いたので、何となく今までより雑な感じになってしまった気がしますが、上の名言(?)に出会えただけで僕は満足です。
本ってそういうもんですよね。
なんかの試験じゃあるまいし、別に全文丸暗記する必要なんてありません。
AIなら一瞬で一言一句違わずに丸暗記できると思うと、少し複雑ではありますが。
今後も内容が重複する本をいくつか読む予定なので、この書評がどんどん雑に、短くなっていくという不安はありますが、何かしら1つは「その後も絶対忘れない名言」を見つけ出せたらいいかなと思います。
そんな僕に今後もお付き合い下さいませ。
◎最後の最後に
本書の中で「ストレングス・ファインダー」という性格診断が紹介されています。
こういった診断の大手が行っているテストなのですが、早速やろうと思ったら1万円くらいかかるそうです(!)。
なので、無料のこちらの診断をお勧めします。
日本人は診断好きですよね。
血液型とか。
ちなみに僕の結果はこれでした↓
一匹狼のZAKIOです🐺
では、さようなら。
4コメント
2018.02.12 01:20
2018.02.11 14:23
2018.02.11 00:27